片桐はいりの若い頃がモダンでお洒落!名画座と下積み秘話を追う
片桐 はいり 若い 頃の姿に、いまSNS上で「アバンギャルドで圧倒的にスタイリッシュ」と再評価の波が押し寄せている。スクリーンに現れるだけで場の空気を一変させる強烈なアイコン。だが、そのルーツをひもとくと、単なる“個性派”というラベルでは到底収まりきらない、研ぎ澄まされた美意識とカルチャーの熱気が立ち上がってくる。
レトロカルチャーや80年代の尖った表現が再検証されるなか、アーカイブ写真に写る片桐 はいり 若い 頃の佇まいに、若い世代が「最高にモードな表現者」として熱狂しているのだ。銀座の映画館で長年もぎり台に立ち、伝説の劇団で身体表現を極め、やがて唯一無二の怪女優へ駆け上がった彼女の知られざる原点に迫る。
劇団木冬社ともぎり時代――アングラ演劇と名画座で磨かれた審美眼
成蹊大学在学中、片桐はいりは演劇界の巨匠・太田省吾が率いる「劇団木冬社」の門を叩いた。言葉を削ぎ落とし、極限の身体言語で空間を支配するアングラな舞台演劇の現場。そこで培われた研ぎ澄まされた間合いと身体のコントロール能力が、のちの唯一無二の怪演を支える強固な土台となる。
下積み時代の彼女を語る上で欠かせないのが、銀座の映画館(旧・銀座文化劇場、のちのシネスイッチ銀座)での「もぎり」アルバイトだ。チケットをもぎりながら、暗がりから名画を何百本と見つめ続けた日々。銀幕に映る世界の一流俳優たちの息遣い、観客のリアルな反応を肌で吸収した名画座のフロアこそが、彼女にとって最高の演劇学校だったに違いない。
モッズでシャープ!写真に残る「モダンでお洒落」な圧倒的佇まい
いま見返しても息を呑むのが、若き日の片桐はいりが放っていた圧倒的なビジュアルのキレ味だ。トレードマークのシャープなオカッパ頭、すっと伸びた高身長、無駄を削ぎ落としたミニマルなシルエット。その姿はどこか60年代のモッズカルチャーやロンドンのスウィンギング・ロンドンを思わせる洗練に満ちている。
大手芸能事務所「スターダストプロモーション」に所属し、CMや映像の世界へ進出した初期から、彼女の容姿と立ち振る舞いは異彩を放っていた。媚びない視線、幾何学的な美しさを宿す骨格。本人はかつて自身をユーモラスに語ることも多かったが、現代のクリエイターや写真家たちから見れば、まさに時代を先取りしたハイファッションのミューズそのものだった。
『かもめ食堂』で見せた静謐な存在感と荻上直子・小林聡美との化学反応
片桐はいりの名を映画ファンに決定づけた金字塔といえば、荻上直子監督の映画『かもめ食堂』だろう。フィンランド・ヘルシンキの静かな街角、ひょんなことから食堂を手伝うことになるミドリ役を好演した。
主演の小林聡美、共演のもたいまさこと生み出すアンサンブルは圧巻だった。ガッチャマンの歌詞を真顔で書き殴るコミカルな一面と、旅先でふと見せる孤独な大人の陰影。荻上直子監督のオフビートな世界観の中で、片桐の佇まいは完璧な調和とスパイスをもたらし、日本映画史に残る心地よい余白を創り出した。
『あまちゃん』から『勝手にふるえてろ』まで――記憶に刻まれる怪演の系譜
彼女の魅力は静謐なアート系作品にとどまらない。NHK連続テレビ小説『あまちゃん』での「あんべちゃん」役は日本中のお茶の間を沸かせた。「まめぶ汁」を必死にアピールするコミカルな熱演は、朝の風景に鮮烈なインパクトを残した。
さらに映画『勝手にふるえてろ』では、松岡茉優演じるヒロインの日常にぬっと現れる隣人役として怪演を披露。数分間の登場であっても、観客の脳裏に一生こびりつくようなフックを残す。王道のコメディ映画からエッジの効いた人間ドラマまで、彼女が画面の端に立つだけで物語の解像度が跳ね上がる。
NetflixやNHKオンデマンドで今すぐ目撃したい!片桐はいりのマスターピース
片桐はいりが築き上げてきた唯一無二のフィルモグラフィーは、各種ストリーミングサービスで今すぐ体感できる。映画ファンなら、まずはNetflixなどで『かもめ食堂』や『勝手にふるえてろ』をチェックしたい。彼女の絶妙な台詞回しと視線の演技が、画面越しに鮮やかに迫ってくるはずだ。
また、NHKオンデマンドでは『あまちゃん』をはじめとする数々の名作ドラマをアーカイブ視聴可能。舞台仕込みの滑舌と変幻自在の表情筋が織りなすパフォーマンスは、何度見返しても新しい発見と笑いをもたらしてくれる。
歳月を重ねてなお孤高――色褪せない表現者としての美学
誰かの真似をせず、流行に迎合せず、ただひたすらに自分の身体と感性を信じて表現を続けてきた片桐はいり。彼女の軌跡を振り返ると、型にはまった「美しさ」の基準を軽やかに飛び越えていく痛快さに満ちている。
若い頃の研ぎ澄まされたモダンさも、年齢を重ねた現在の味わい深い怪演も、すべて一本の芯で結ばれている。時代がようやく彼女の先進性に追いついた今、この稀代の表現者が見せてくれる次の景色から目が離せない。 (出典: 片桐 はいり 若い 頃(Yahoo!ニュース))