白鶴まるCMの名優・矢崎滋の現在とは?都はるみと選んだ晩年

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白鶴まるCMの名優・矢崎滋の現在とは?都はるみと選んだ晩年
白鶴まるCMの名優・矢崎滋の現在とは?都はるみと選んだ晩年
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🎵 白鶴まるCMの名優・矢崎滋の現在とは?都はるみと選んだ晩年

矢崎 滋という役者の名前を聞いて、あの屈託のない笑顔と「まるっ!」と盃を掲げる姿を思い浮かべる人は少なくないはずだ。東京大学文学部中退という異色のインテリジェンスを持ちながら、親しみやすさと一抹の哀愁を絶妙に同居させた稀代のバイプレイヤー。だが、テレビの画面からふっと姿を消して久しい今、彼がどこで、どのような日々を紡いでいるのかを正確に知る者は少ない。

かつて熱気渦巻くステージや撮影現場のど真ん中にいた矢崎 滋は、ある時期を境に一切の未練を断ち切るように表舞台を離れた。世間が思い描く「芸能人の華やかな余生」とはまるで違う、驚くほど身軽で潔い隠居生活。その選択の裏には、一体どんな人生観があったのだろうか。

「白鶴まる」の笑顔から一転、東北のホテルで過ごす隠居のリアル

名優が選んだ終の棲家は、豪華な豪邸でも都心の高級マンションでもなかった。福島県郡山市にあるビジネスホテルの一室。スーツケース数個に収まるだけの荷物とともに、気ままなホテル暮らしを続けているという事実が報じられたとき、世間には少なからぬ衝撃が走った。

持ち家を持たず、家具も持たない。掃除やベッドメイクはホテルに任せ、朝になればふらりと近所を散歩し、地元の馴染みの店で質素な食事を楽しむ。かつて白鶴酒造のロングセラーCMで日本中の食卓を明るく照らした男は、余計な執着を削ぎ落としたミニマリズムの境地にいた。金銭や名誉への執着を手放し、一人の市井の人として呼吸する毎日。その佇まいには、世俗の評価から完全に解き放たれた者だけが持つ、独特の清々しさが漂っている。

都はるみとの固い絆——名声を手放した二人が辿り着いた境地

この静かな東北での暮らしには、もう一つの物語が寄り添っている。昭和の歌謡界を牽引した大スター、都はるみとの穏やかな同伴関係だ。

かつて舞台での共演をきっかけに親交を深めた二人は、人生の黄昏時を迎えて再び巡り合い、互いを支え合うパートナーとなった。パチンコ店で並んでハンドルを握り、スーパーで夕暮れ時の買い出しをする。昭和・平成のエンターテインメント界の頂点を目撃してきた二人が、名声を脱ぎ捨てて手に入れたのは、誰にも邪魔されない「普通の日々」だった。結婚という法的な枠組みに縛られることもなく、ただ寄り添い、今日という一日を穏やかに分かち合う。世間の雑音をよそに、二人の間には凪のような時間が流れている。

劇団四季から劇団東京乾電池へ、日本の演劇界を揺らした異色キャリア

そもそも彼の役者人生は、常に予定調和を嫌う知的な挑戦の連続だった。エリートコースを捨てて飛び込んだ劇団四季では、浅利慶太の厳しい指導のもとで徹底的な身体表現とセリフ術を叩き込まれた。しかし、正統派ミュージカルの枠に収まりきる器ではなかった。

その後、柄本明やベンガルらが旗揚げした劇団東京乾電池の活動に関わり、アンダーグラウンドで不条理な演劇の洗礼を浴びる。端正な発声と怪優としてのナンセンスさ。この水と油のような二つの要素を自在に行き来できたからこそ、日本の演劇界において彼しか演じられない独特のポジションを確立したのだ。軽妙洒脱でありながら、どこか心の奥底を見透かすような鋭い眼差しは、この型破りなキャリア形成の中で磨き抜かれたものだった。

『白虎隊』から『翔ぶが如く』まで、重厚な時代劇で魅せた唯一無二の存在感

テレビの世界において、彼の真骨頂が発揮されたのは間違いなく骨太な時代劇だった。年末時代劇スペシャルの金字塔『白虎隊 (1986年のテレビドラマ)』で見せた、激動の幕末を生きる武士の悲哀と矜持。あるいは、NHK大河ドラマの名作『翔ぶが如く (NHK大河ドラマ)』において、西郷隆盛や大久保利通ら維新の英傑たちの間で独自の立ち回りを演じたあの渋い演技は、今なおオールドファンの語り草だ。

決して主役の座を奪い取るような出しゃばり方はしない。だが、彼が画面の端に立っているだけで、作品全体のリアリティと歴史の重みがぐっと増す。滑稽な町人から冷徹な幕臣まで、自在に姿を変えるカメレオンのような演技力は、娯楽時代劇が黄金期を誇っていた時代の確かな屋台骨だった。

『おもひでぽろぽろ』色褪せぬ名演、NetflixやNHKオンデマンドで再評価

彼の声の演技にも触れないわけにはいかない。スタジオジブリの名作アニメーション映画『おもひでぽろぽろ』で見せた父親役の抑制された演技は、昭和の不器用な家族像を見事に体現していた。多くを語らず、娘にかける一言に複雑な愛情を滲ませるその声音は、劇場公開から数十年が経過した今も色褪せることはない。

近年、ストリーミングサービスの普及によって、若い世代が彼の過去作にアクセスする機会が急増している。Netflixで世界配信されるジブリ作品や、NHKオンデマンドで配信される往年の名作大河ドラマを通じて、「この素晴らしい俳優は誰なのか」と再発見する視聴者が後を絶たない。本人が完全に隠棲したあとも、作品の中で彼の魂は生き生きと躍動し続けている。

肩書きを脱ぎ捨てた人生の美学——矢崎滋が今私たちに問いかけるもの

老いること、辞めること、そして手放すこと。多くの人間が過去の栄光や財産、他者からの評価にしがみつきがちなこの時代において、彼の引き際は驚くほど潔悪く、そして美しい。

役者としての未練を一ミリも漂わせず、ただ一人の人間として今日を生きる。地方都市のホテルの一室から見つめる空は、かつてスポットライトを浴びていたステージよりもずっと広く、自由なのかもしれない。演じることを極めた男が最後に選んだのは、「自分自身を演じることすらやめる」という究極の自由だった。 (出典: 矢崎 滋(Yahoo!ニュース)

矢崎 滋
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